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映画『テニスの王子様』監修も務める白戸仁プロによるブログ。


白戸仁プロフィール
1958年10月19日生まれ。83年セイコースーパーテニス国内大会で優勝し本大会でJ・コナーズと対戦。86年ウインブルドンでは柳昌子選手と組みミックスダブルスでベスト16入りを果たす。86年、87年と全日本選手権ダブルス連覇を果たしている。
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試合中の緊張 

フレンチオープンも二回戦が終わり、第3シードを破った森上さんも2回戦で残念ながら負けてしまいましたが、1回戦相手にマッチポイントを取られてから逆転のシャラポワ選手は,無事2回戦突破しています。
今日は試合の緊張について少し書いてみます。
現代の若者たちに緊張という言葉がない人もいるかと思いますが、私としては誰でも緊張したことがあるかと思っています。緊張しない方は今日の記事は飛ばして読んでください。
緊張するとどうなるか!?
自分がやっていることを意識無くやっていたり、今日はここを気をつけようと思って試合に臨んだはずが、すべてを忘れてしまう人、試合のスコアーもわからなくなる人、いろいろいることと思います。
私も始めてデビスカップで田園コロシアムで試合を行った時、そのコートは観客は3000人ぐらいだと思いますが、センターコートに入るまで、暗いトンネルみたいな通路を通ります。その暗い通路を過ぎると一気に3000人の観衆の中に入るわけです。その緊張はとてつもなく、はじめの何ゲーム化は全く覚えていません。私は皆がびっくりするほど記憶が良いほうなのですが本当にその何ゲームかは覚えていないくらい緊張した事があります。ただ、このような緊張はだんだん慣れてきて、最後のほうは観客が大勢いないとかえって頑張れないくらいになってきました。そう、慣れてくるものです。ウインブルドンのセンターコートで試合をした時も、前の試合がベッカーの試合だったため8000人くらいの観客でしたが、やはり緊張をしてどうしようかと思っていましたが、パートナーだった柳 昌子選手に励まされ乗り切ることが出来ました。
このような、慣れとか他人の力などを借りれる緊張はまだ大丈夫ですが、今日は個人レベルの緊張の話です。
実は私は現役時代はサーブの威力が特に無く、大事な場面でよくダブルフォルトをするなど、欠点の一つでした。
そのため、サーブが上手な選手をよくまねをしてしょっちゅうフォームを変えていましたが、それがまたまた命取りみたいなもので、ぜんぜん上手になりません。
実は私の先輩のあの福井選手も(怒らないでくださいね!これも日本の将来のテニスのためです。)サーブはけして上手だとは言えませんでした。ただ福井さんは練習中はとてもすばらしいサーブを打っていたのです。小学校時代はリトルリーグのピッチャーだった(ちなみにその時のキャッチャーは今フェドの監督の植田さん)福井さんは肩も強く、本当に早いサーブを打っていました。が、、、、試合になると早いサーブの時もあれば、素人さん並のサーブ。私の場合は素人さん以下のサーブの時もありました。それはどうしてでしょう?!
やはりあの福井さんでも試合では緊張して、自分の思うように筋肉が動かなくなっていたと思うのです。あまり他の人のことを書くのはよくないかもしれないので、ここからは、自分のことを書きます。一回全日本の一回戦で、負けたことがあります。1STセットタイブレークで取られたのですが、この時4-4からのサービスゲーム・5-5のサービスゲームと2ゲームの間に冗談抜きでダブルフォルトを10回くらいしたのです。しかもボールが全く飛んでいかないような、当然プロが打つことは絶対無いというようなサーブです。
さすがの私も回りに観客の方もいて、恥ずかしく本当は肩など元気なのにまるで壊しているかのような態度を取っていたくらいです。だって普通ならプロでそんなサーブなんて考えられないからです!一応お金を払って見に来ていただいてるわけですからね!本当に緊張して肩が動かなくなっていました。金縛りのように。皆さんも緊張して字を書こうとしたときペンが震えて書けないなど経験したことはありませんか?
緊張して右足と右手が一緒に出ることがあっても歩けなくなる人はあまりいないと思います。そうです。人間の小さな筋肉と大きな筋肉は緊張して動かなくなるのは小さい筋肉なんです。サーブのフォームが悪かった私は(簡単に言うとひじが下がっていた)緊張をしていないとそのひじも上がってから打っていたのですが、一回緊張してしまうと上がってこなくなってしまうのです。すると見るも無残なサーブになってしまうのですが、今人に教える立場になってよく思うことは、シンプルなサーブで大きな筋肉を使ったサーブにしていれば、多少緊張しても大丈夫だということです。
またもう一つ!!自分がもし緊張したらこのサーブを打つというものがあれば緊張しても大丈夫です。備えがあれば憂いなしってやつですね!
その緊張しても大丈夫なサーブは皆さんのコーチに習ってくださいね!
またまた長くなりましたが、ここでよい情報をお教えしましょう!
たとえば明日試合で・早く寝なきゃと思っているのになかなか寝れず、羊を数えたり・本を読んだり・テレビ見たり・ただ頭から布団をかぶってどうしよう!と悩んでいる人もいると思いますがその対処法です
私が大学時代研究したことですが、人間眠らなくても、目を閉じてずっと上を向いて寝ていれば眠った日の行動の差は5%くらいだということです。
そう上を向いて目を閉じて体を休めていれば、熟睡した日とほとんど変わらないパフォーマンスが出来るということです。それを知っていると、試合前でも大丈夫。おまけに眠らなくても大丈夫と思うとほっとして、いつのまにか眠っていました。皆さんも是非試してください。
さっきのサーブも一緒です。自分に緊張した時ようのサーブがあるという保険があれば緊張もしなくなっていくはずです!
参考にしていただければと思います。
ほんとに長い記事に付き合っていただきましてありがとうございます。そろそろ寝ることにします。
コメント入れていただいている皆さんありがとうございます。徐々に返事入れていきますね!J.STAPの体験はいつでも行っていますが、大学生は要相談です。お問い合わせください!白戸
投稿者 白戸仁 00:51 | コメント(6)| トラックバック(0)
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コメント
白戸さん、いつもブログを楽しく読ませていただいております。睡眠に関する記述非常に興味深いですね。私はなかなか寝付けない体質で、寝付くまでに2時間くらいかかってしまうこともあります。寝れないとき逆に寝ないといけないと焦ってしまうことが多いのです。でも心配しないでいいのかなあとちょっと安心しました。
投稿者 泰子 2006/06/02 02:46
 おはようございます。いつもブログを楽しみにしています。
 「緊張する」ことについて、私は、試合になると心の深い部分で「ボールを返さなきゃ、相手コートに入れなきゃ」と思っているらしく(そう思っているつもりはないのですが)、スイングが途中で終わってしまい、結果、伸びのない、入れに行く・置きに行くボールになって、逆に攻撃されてしまいます。コーチにも「ちゃんと振り切りなさい、振り切れば入るから」といわれ続けています。これも緊張から来るのでしょうね。ベテランの方からも「緊張した時にしっかり振り切れるように、どんどん試合に出て、体で覚えなさい」と言われました。『プロでも緊張から失敗をすることがある』ことがわかり、少し安心しました。
 技術だけでなく、精神的なものも鍛えていかないといけないなんて、テニスって本当に奥が深いですね、これからも精進(このほうが、がんばるより精神的な気がしませんか?)したいと思います。
 今後もためになるブログ、楽しみにしています。

投稿者 にゃんこママ 2006/06/02 08:07
僕も練習のときはサーブも普通どおり打てて、試合になると全然体が縮んでしまうため悩んでいました。部活の先輩からはもっと振り切って打て!!と怒られていたことを思い出しました。けど白戸さんがサーブが苦手なショットだなんて意外でした。白戸さんにはサーブをかなり矯正されましたし・・・(笑)
スポーツはまさに心・技・体ですね。ぼくも技だけでなく、心も鍛錬していこうと思います。ためになる記事をいつもありがとうございます。今後もいろいろ教えてください。
投稿者 こうへい 2006/06/02 12:00
本当にサーブってメンタルな部分が大きく左右しますよね!
私も一度ダブルフォルトやってしまうと、その後「もう一度やったらどうしよう」という気持ちになり、体がどんどん硬くなっていきます。
緊張した時用のサーブってどんなんでしょう。
今度教えてください。でもそれってやっぱりハイレベルの人の話ですか?

投稿者 トーフ 2006/06/02 12:43
今日はじめてこのブログしりました。ほんとにこれ参考になりますね!僕はサーブがもっとも苦手なショットなので(いつも怒られてます)これからもっと矯正していきたいです!
あとJSTAP部活の関係でいけなかったですが今月には入会申込書もっていきます。
投稿者 ゆうずけ 2006/06/03 22:35
緊張は、自分以外の周囲の状況が情報としてはいるとおこりますよね。オリンピック選手が時に大舞台でハイパフォーマンスを出すときは、右脳の活動が高くなり、左脳の活動が高くなると筋肉が硬くなると聞きました。右が活動すると=無心・没頭、左脳が活動すると方法論を組み立ててしまい雑念がでてしまうのです。時々、技量は高くないのに試合は強いという人いますよね。私は試合中に急な技量アップは難しいので、シングルスのときは強い相手でも弱い相手でも、その状況にもっていくようにしています。それには、自分がどのような状況で緊張するのかという自己理解・自己観察が重要ですよね。テニスも心理学のような気がします。
でも、やっぱり技量をあげてかっこよく勝ちたいです。
投稿者 寝ぼけ顔 2006/06/04 23:28
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